近年、親の介護で現在の仕事ををやめなければいけない、介護離職・介護転職が増えています。
2016年の高齢者白書によると、2011年の10月~2012年9月までに19,900人の男性が介護や看護を理由に離職・転職をしています。(女性も含めると約10万人)
40代ともなると親も70代前後となり、
と思っていても突然、
という状況が起こりえるのが40代なのです。
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介護離職で自分のキャリアと家族をリスクにさらさないための対策が必要
会社での責任も大きくなる40代、小さな子供がいる場合も多く、仕事と家庭・介護のすべてを両立することは本当に難しい現実があります。
親が近くに住んでいても、仕事と介護の両立は大変なのに、
という状況になったら、それこそ、自分自身が介護疲れで倒れてしまいかねません。
では、仕事をやめて新たに探せばよいのか、といっても、
一時的に仕事を離れ、収入がゼロになってしまうのは、自分のキャリアにとってもマイナスとなり、再就職を難しくしてしまいます。
また、残される家族にとっても大きなリスクとなってしまいます。
パニックになりそうな気持はわかりますが、まずは気持ちを落ち着かせて、今の仕事を維持することを優先して考え、以下の点を考えてみましょう。
【介護離職対策1】職場の介護休業制度を利用する
まずは、会社の介護休業制度を確認してみましょう。
この制度は、労働者が要介護状態にある家族を介護するために、一定期間休業することができる制度で、育児・介護休業法という法律で定められたものです。
ただ、介護休業できるのは、家族1人につき3回まで利用でき、通算93日間となっています。
また、この介護休業中は事業主が給料を払う義務もないため、賃金は無休になるか、少なくなってしまうケースがあります(会社の就業規則を確認してみましょう)。
この収入減を補うために、介護休業給付金の受給を申請することができます。
給付金の受給は1か月ごとの計算で、最長3か月となっており、支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%となっています(2018年11月現在)。
まずは、この制度を利用することで、あわてて仕事を辞めてしまったり、転職を決めてしまうなどを事態を避けましょう。
自分のキャリアを損なうことなく、今ある制度をうまく使うことで、今後どのように介護をしていけばよいのかを家族でしっかり話し合ってみてください。
【介護離職対策2】公的介護保険を利用する
2000年からスタートした公的介護保険も利用することができます。
65歳以上の場合は、要介護認定を受けれれば、自己負担1割~2割で、デイサービスなどの介護サービスを受けることができます。
介護認定を受けるための申請は市区町村の役所の窓口で行うことができます(家族の申請でも可)。その後、自宅訪問・審査があります。
申請から認定まで、だいたい30日以内に行われます。
公的介護保険で利用できる介護サービスとしては、自宅で受けられる訪問介護、デイサービスなどの通所介護、介護老人福祉施設などへの入所などがあります。
また、自己負担額が、規定されている上限額を超えてしまった場合は、高額介護サービス費を申請して払い戻しを受けることもできます。
【介護離職対策3】民間の介護保険に加入することも検討する
これは、親が介護状態になる前のことになりますが、公的介護保険ではカバーしきれない事態も想定して、民間の介護保険に加入しておくことも検討が必要だと思います。
介護状態になった時に保険金を受け取れれる掛け捨て型と、満期時や解約時に保険金を受けとれる貯蓄型があります。
保険金を受け取れる条件については、それぞれの保険会社によって異なるため、事前確認を取って負う必要があります。
どうしても介護離職・転職しなければいけない場合は、焦らずしっかりと事前準備をしよう
上記の制度を利用しながら、介護を行っていければよいのですが、どうしても自分がそばにいなければいけない状態となってしまった場合は、転職を視野に入れる必要があります。
しかし、40代の転職は決して簡単ではありません。
介護のさなかで精神的にもいっぱいいっぱいではあるかもしれませんが、以下の点を抑えて転職活動を進めていく必要があります。
【40代の転職①】可能な限り、今の仕事を継続しながら転職活動をする
収入の維持、自分のキャリアの維持からも、まずは現在の仕事をつづけながら仕事を探してみましょう。
一度仕事を離れてしまえば、40代の転職の場合、半年以上仕事が決まらないことなどもあり得ます。
それだけの期間収入がない状態が続いたり、無職の状態が続くと、自分のキャリアにも影響し、養っている家族としても大変です。
【40代の転職②】焦らず、自己分析と転職状況を調べて、現状を認識する
このようなことがないように、しっかりと事前準備をする必要があります。
自分が現時点で年収どれくらいの価値があるのか、自分が所属する業界、転職を規模する業界・職種の転職業況はどうかを、しっかり把握してください。
転職とは自分を企業に売り込むこと、しっかりを自分がどういう経験をしてきて、どういう仕事を希望しているのかを明確にし、ことばで表現できるようにしましょう。
【40代の転職③】収入減や会社規模の縮小は覚悟する。自分にとって何が重要なのかを考える
特に地元へのUターン転職となった場合は、今までの仕事と比較し、年収が減少する可能性も高くなります。
会社も大企業ではなく、中小企業となることもあるでしょう。
しかし、あくまでも前向きに、
- 自分を必要としてくれる場所への就職
- やりがいを感じることができる職場
と、年収などの表面的なことにとらわれず、内面的なものも見ていきましょう。
また、将来的な収入減を防ぐために、今から副業に取り組んでいくことも収入を分散化させることも強くお勧めいたします。
どうしても介護離職・転職しなければいけない場合の就職エージェントの活用
就職エージェントを利用することのメリットは何といっても、プロのアドバイスをもとに転職を進めることができること。
求人サイトに登録して応募を続けるのもよいのですが、実際に40代の転職活動の生の声を聞きながら転職活動できるのはプロと相談しなければわかりません。
ネットだけでは、自分が行っている転職活動がよいのか悪いのかも確かめることができないのです。
また、実家近くでの転職となると、土地勘もわからず無駄に時間をロスしてしまうこともあり得ます。
ただでさえ介護で大変なのに、転職活動で無駄な時間を過ごしている余裕はありません。
以下にあげているエージェントはどれも大手で、全国に幅広いネットワークを持ち、Uターン就職にも強いエージェントばかりです。
登録自体は無料ですから、複数のエージェントに登録したうえで、まずはプロに相談をしてみましょう。
1.doda(デューダ)
◎転職者満足度No.1 (※電通バズリサーチ調べ)
◎Uターン・Iターンに関しての特集もあり、地方での求職数も豊富。
2.リクルートエージェント
◎転職成功実績No.1 (※2014年3月末時点、転職市場定点調査)
◎業界トップクラスの求人数
◎Uターン・Iターン転職の成功事例なども掲載されていて、地方就職についても転職ノウハウがある。
3.パソナキャリア
◎求人数は業界トップクラス
◎地方での求人情報に担当者のコメントもあり、企業の状況がイメージしやすい。
4.MIIDAS(ミイダス)
◎登録して求人企業がオファーしてくるのを待つ待ち受け型転職サイト
◎アンケートに答えて自分の市場価値・適正年収がわかる
◎履歴書や職務経歴書の作成をしなくてもよい