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【香港デモ状況:10月7日更新】あふれかえるデモの情報と情報リテラシーの大切さ

香港デモの状況:10月1日の国慶節を終えて

前回の更新から1か月くらいたってしまいました。

この間、10月1日の中国建国70周年という大きな行事がありましたが、香港デモは一向に収まる気配がありません。

現在、デモ活動は基本的に週末に行われており、場所も香港の様々な場所でおこなわれていることから予定や場所を把握することが難しくなっています。

ただ、この1カ月間、香港デモ関連の情報を集めようとしながら、いろいろ考えたことがあります。

香港デモと警察の対応双方が過激になるにつれあふれる情報をどうとらえるか

香港デモの現在までの流れについては私の以前の記事を読んでいただいてもいいのですが、以下の記事がとても分かりやすいです。

まず、こちらは香港デモを現場で取材してルポしてくれている中国ルポライターの安田峰俊さんのルポ。

こちらは、香港研究では有名な立教大学教授、倉田徹先生による記事です。

香港デモを構成する藍絲と黄絲、直近の動向

まず、今回の香港デモで大きく対立しているのは以下の二つの陣営。

現在では、それぞれを色で分けて以下のように呼んでいます。

  • 青(藍絲・ラムシー):香港政府・警察、政府や警察を支持する人
  • 黄(黄絲・ウォンシー):デモ隊・民主派、デモを支持する人

日本でもさまざま報道されている通り、現在、デモ隊による警察との衝突時の激しい抵抗や商店破壊、警察による過剰な拘束や発砲と状況は過激さを増しています。

懸念されていた10月1日の中国建国70周年を祝う国慶節には香港の多くのエリアでデモ隊と警察との衝突が起き、警察の発砲で18歳の男性が負傷するということも起きました。

これらの状況を踏まえて、10月5日から「覆面禁止法」が施行され、4日の夜は私もこれまで感じたことのないような緊張感に包まれました。

覆面禁止法直後、10月5・6・7日と連休の香港でしたが、5日から「覆面禁止法」が施行されたにもかかわらず、覆面をしたままのデモ行進が行われるなど、予断を許さない状況になっています。

香港デモを通じて感じた情報を客観的に理解することの大切さ

今回の香港デモはまだ収まる気配を見せていませんが、6月の開始当初から香港政府・警察側、デモ隊・デモ支援側で激しい情報合戦が繰り広げられています。

双方の暴力が過激になればなるほど、さまざまな情報が真偽を問わず自陣営を正当化し、相手を批判するための材料として様々なソーシャルメディアに流されています。

これらの映像は過激なものが多いので、それを見ただけで正直大きく心が揺り動かされます。

しかしちょっと冷静に考えて、ソーシャルメディアにあがってくる双方の映像をみくらべていくと、映像それ自体が都合の良い部分でカットされていることもよくあり、それぞれの陣営による印象操作となっていることも少なくないように思えるのですね。

実際に挙げられている動画は、確かに現在の香港で起こっていることなんですが、映像だけを見ても、その背景や実際の当事者(加害者・被害者双方)のコメントなどもほとんどなく、勝手に解釈をつけて情報をアップしているので、その主張がもっともらしく見えてしまいます。

安田さんも言っていますが、私のように香港に住んでいても何が本当なのかを判断することは非常に難しく、あふれかえる感情的な情報の中で、公平かつ中立的な立場に立って判断することはとても難しい状況です。

上記のように、「基本、香港系の現場動画は信用できず現地で見るしかないと思い始めている」っていうのが香港を何度もルポしている方の感想なんですよね。

香港デモをとらえる視点、これからの時代に大切な情報リテラシー

しかし、現在の香港デモのように状況が複雑化して過激な行動が繰り返されている時こそ、あふれる情報に踊らされることなく、冷静に物事をとらえることが重要だと自分にも言い聞かせています。

これ以上双方がお互いを憎しみ藍、行動が過激になれば、お互いに死者を出してしまう可能性もあります。

双方の主義・主張などに踊らされて現場で発生している被害(人的・物的双方)に鈍感になってもいけないとも感じています。

相手に対しての憎しみを高めていくのではなく、なんとかお互いが解決の糸口を探るために、席について冷静に話し合う機会を持つ努力をあきらめてはいけないと強く思います。

情報リテラシーとは

その上で、これからの情報社会を生きるための必要なものとして「情報リテラシー」というものを改めて、しっかり考えていかなければいけないと感じています。

情報リテラシーとはWikipediaによると以下のように定義されています。

情報を自己の目的に適合するように使用できる能力

しかし、上記のような定義では、情報を自分の目的(善悪を問わず)を達成するために恣意的に利用して使う能力といった印象があります。

そこで、同じWikipediaの解説にもあったAustralian and New Zealand Institute for Information Literacyが2004年に発行した Australian and New Zealand Information Literacy Frameworkが「情報リテラシー」のポイントがより正確なのではと思いましたので、紹介いたします。

  1. 情報に対するニーズを認識し、必要とする情報の性質と範囲を決定できる。
  2. 効果的に、そして、能率的に必要な情報を見付けられる。
  3. 批判的に情報や情報探索過程を評価できる。
  4. 収集した情報や自らの研究などから生み出された情報を管理できる。
  5. より重要で新しい情報を適用して新しい概念や新しい理解を生み出せる。
  6. 理解しながら情報を用い、情報を用いるということの周囲にある文化的・倫理的・経済的・社会的な問題を認識できる。

もちろん、一般市民である私たちが、上記のポイント全てを一つ一つの情報に対して行うことは物理的にも無理でしょう。

しかし、目に入ってきた情報がすべてであるかのように安易に信じてしまうのではなく、その情報をできる限り精査して、情報を理解する能力、また、自分の主義主張とは異なる情報も尊重し、理解しようとする努力が必要なのではないかと強く感じます。

正直、目を覆いたくなるような警察やデモ隊の行動がソーシャルメディアに流れてくると、追完獣的になり、冷静に考えることも難しいのですが、状況がさらにエスカレートすることを防ぐには、それしかないのではないかと思います。

今後の香港デモの予定

今後の日程は領事館から出ている情報では以下のように予定されていますが、正直その日になってみないと実際どのようになるかはわからない状況です。

(写真:在香港日本国総領事館ウェブサイトより)

また、以下は広いものですが、一応貼っておきます。実際にこのスケジュール通り行われるかわわかりませんので、上の領事館の情報の更新をお待ちください。

今後、注目されている行事としては、まだ先になりますが以下の行事と思われます。

  • 10月16日:立法会開会
  • 11月24日:区議会議員選挙

香港の情報を得るための情報源

先日の記事でも掲載しましたが、香港の最新情報を得るための情報源をいくつか載せておきます。

在香港日本国総領事館:「新着情報」欄で、デモに関する注意喚起を見ることができます。

「香港における今後の主な抗議活動や関連情報等」でデモが行われる予定の場所が見れますが、実際にデモが行われる場所は非常に流動的で、当日になってみないとわからないというのもありますので、最新の情報を得る必要があります。

香港蘋果日報:香港の大衆紙「蘋果日報」のフェイスブックサイトです。中国語。リアルタイムの状況が確認できます。

言語は中国語ですが、リアルタイムでの状況がアップされていますので、デモが行われれている場所をグーグルマップで確認しながら、デモの場所を避けましょう。

Citymapper:グーグルマップのように現在地やある地点から自分が行きたい場所への行き方・時間をくわしく表示。現在の香港だと、駅が閉鎖されていてもそれを反映させた目的地への行き方を検索できるのでとても便利です。

Citymapper - 東京
Citymapper
開発元:Citymapper Limited
無料
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HKmap:香港デモにおける警察の動きが地理的にわかるアプリです。リアルタイムでデモの状況を地理的に理解するには便利です。

HKmap 即時地圖
HKmap 即時地圖
開発元:BackupHK
無料
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香港国際空港:画面上の「Important Notice」で注意情報が見れます。

香港MTR(地下鉄):「Service Status」から運行状況を見ることができます。

 

大好きな香港が一日も早く安定した状態に戻ってくれますように。