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DHAはなぜ「頭の良くなる栄養素」と呼ばれているのか

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頭が良くなる栄養素?DHA(ドコサヘキサエン酸)とは

頭が良くなる栄養素として紹介され、現在に至るまで注目されているDHA(ドコサヘキサエン酸)を紹介するには、DHAのことをもっと知っておかなければならないと思い、DHAに関する比較的学術的な書籍を探していたのですが、近年これだけ注目されている栄養素であるのに意外にDHAについて書かれた専門書が少ないことがわかりました。

DHAが多く含まれている魚の料理と関連付けて書かれている本はあるのですが、DHAそのものについて掘り下げて書かれている本がほとんどないのです。

いろいろ探していく中で、私たちの期待にそえるかな、と思った本が以下の本です。

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日本におけるDHA研究の第一人者ともいうべき矢澤氏の本です。

この本も、書籍では1995年に発売された物しかなく、2016年に電子書籍として更新されて販売されている状態です。

DHAとは魚の油に含まれる栄養素

子供の健全な成長には、たんぱく質脂質炭水化物無機質ビタミンに分類される「五大栄養素」が必要です。

五大栄養素

  1. たんぱく質 → からだを作る栄養素
  2. 脂質 → からだの中でもえてからだを動かすエネルギーになる栄養素
  3. 炭水化物 → からだと頭を働かせる栄養素
  4. 無機質 → からだをつくり、調子を整える
  5. ビタミン → ほかの栄養素の働きをサポート

参照・引用:食育

この五大栄養素の中でも、からだを動かすエネルギーになる栄養素であるのが「脂質」で、この中でもオメガ3(オメガ3脂肪酸)」は脂質を構成する重要な栄養素です。

脂肪酸はさらに大きく2つに分けられます。飽和脂肪酸不飽和脂肪酸です。

脂肪酸

  1. 飽和脂肪酸 → 炭素の二重結合がない脂肪酸。動物性の油に多い(ココナッツオイル、バターなど)
  2. 不飽和脂肪酸 → 炭素の二重結合がある脂肪酸。植物性の油に多い

不飽和脂肪酸には、オメガ3の他、オメガ6やオメガ9に分けられ、そのオメガ3の中でも、魚の油に含まれるのが「DHA(ドコサヘキサエン酸)」です。

[box class=”yellow_box” title=”不飽和脂肪酸”]

不飽和脂肪酸

  1. オメガ3系脂肪酸: αーリノレン酸、DHA、EPA (油脂原料:青魚、えごま、亜麻仁)
  2. オメガ6系脂肪酸: リノール酸、アラキドン酸 (油脂原料:コーン油、大豆油)
  3. オメガ9系脂肪酸: オレイン酸 (油脂原料:オリーブオイル、べに花油)

参照・引用:J-オイルミルズ

オメガ3は体内で合成することができない必須脂肪酸であるため、食物を食べることで意識して摂取する必要があります。

脳の神経細胞で情報伝達をスムーズにする働きをもつDHA

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚の脂に多く含まれる必須脂肪酸で、脳の神経細胞の主な成分となって、神経伝達をスムーズに行い、記憶や学習などの脳の働きを高めてくれる栄養素です。

また、DHAは眼の発達にも良いといわれ、DHAをしっかりとっている子供は視力も順調に発達することがわかっています。

また、最近では、「ビタミンDが脳の神経発達に関係している」という報告も多数あり、ビタミンDを豊富に含む食材である魚の重要性が高まっています。

DHAを多く含む魚は、まぐろ、かつお、ぶり、さば、さんま、いわし、鮭、うなぎなどがあります。

ここでは詳しく触れませんが、DHAは学習能力に大きな効果を発揮するのみではなく、がん、アレルギー、認知症、動脈硬化など多くの生活習慣病の改善にも大きな効果をあげていることがわかっています。

DHAに類似する栄養素であるEPA(エイコサペンタエン酸)にはないDHA独自の特徴として、DHAが脳および眼の神経系の細胞や母乳に豊富に含まれている点があります。

脳や眼の細胞の入り口には、「血液網膜関門」という関所のようなものがあり、EPAはこれを通過できないのに対し、DHAはすんなり通過できるのです。これは、いかにDHA が脳や眼の働きにとって不可欠の役割を果たしているかを示しています。

特に脳の中のDHAは、「海馬」と呼ばれる部分の脳細胞に多く、この海馬は記憶学習の機能をつかさどっている部分なのです。

DHAはこの海馬で、神経細胞の情報伝達をスムーズにする働きをしているのです。


引用:「DHAの効果すべて」

脳の神経細胞は、上の図のようにアメーバ状の形をしていて、この突起の先端部分がシナプスと呼ばれていて、このシナプスを通して情報の伝達が行われています。

顕微鏡でズームアップしてみてみると、このシナプスからアセチルコリンという物質が放出され、隣のシナプスに送り出されています。

私たちが、物を考えたり、判断したり、記憶したりするのは、すべてこのシナプスの間でやり取りされるアセチルコリンの動きによるものなのです。

そして、DHAはこのシナプスの膜に多く含まれていて、膜の柔軟性を保ち、アセチルコリンのやりとりを活発にする働きをしているのです。

このため、DHAが神経細胞の中に豊富にあれば、記憶学習の情報伝達がよくなる、つまり「頭がよくなる」、ということなのです。

以上、簡単ではありますが、DHAが何なのか、DHAがどうして頭がよくなる栄養素と呼ばれているかを、「DHAの効果すべて」から引用・参照させていただき、まとめてみました。