海外在住が長いのに日本の2級FP技能士資格を持っていて、資産運用にもちょっと携わっているトニー(@enjoyhklife)です。
老後資金2000万円不足問題から、年金以外の資産運用にもどんどん注目が集まっています。
それに呼応するかのように、老後資金を蓄えるための制度的も充実してきていて、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)のような商品も出てきていて多くの人が始めています。
しかし、具体的にどうやったら65歳までに2000万円をためることができるのでしょうか。
Contents
資産運用で老後資金2000万円はどうやったら貯まる?
「2000万円足りない」って言っても、それをどうやったら貯めることができるのでしょうか。
月いくら積み立てたら65歳には2000万円になっているのでしょうか。
何年積み立てたら2000万円になるのでしょうか。
このような点を踏まえて、できるだけ運用の目標や方法を具体的なイメージに落とし込んで、将来設計をしていくことが資産運用ではとても大切なんですね。
それを計算するために楽天証券が非常に便利な機能を提供しています。
これであれば、いくらを何年積み立てればいくらになる、など運用のイメージが一気に明確になってきます。
例えば上の例では、以下のようになります。
積立開始 | 40歳 |
積立期間 | 20年 |
積立金額(月額) | 33,000万円 |
必要利回り(年利) | 8.2% |
つみたてNISAの場合、非課税の最長期間は20年間、非課税投資枠は最大年40万円ですから、それぞれ最大限使ったとします。
すると、仮に40歳から60歳までつみたてNISAで年約40万円(月33,000円)積立をするという条件では、必要な年平均利回りは8.2%となりました。
株式や債券などでどれくらいのリターンが期待できるのか
株式だったら、1年で何倍とかになっちゃう株もあるわけだから、年8.2%なんて簡単じゃないの?
と思う方も多いのではないでしょうか。
つみたてNISAで積み立てをする対象は株式や債券などのファンドです。
では、株式や債券の通常のリターンってどんなものなのでしょうか。
上記の記事でも紹介している、「eMAXIS Slim先進国株式インデックスファンド」や「ニッセイ外国株式インデックスファンド」で使われている基準指数(ベンチマーク)は「MSCIコクサイ・インデックス」。
これは、日本を除く先進国22ヶか国の株式で構成された指数となっています。
とはいっても割合的にはアメリカが占めるのが65%と大きいですのでアメリカ市場の動向に大きく影響を受けます。
この指数の動きをもとに株式相場の平均利回りを見てみたいと思います。
(引用:ニッセイアセットマネジメント株式会社 MSCIコクサイインデックス)
上のチャートは、1999年12月末から2017年12月末までの17年間の動きとなっていますが、円ベースでは100だったものが242と倍以上になっていました。
これを年利計算すると8.3%となりました。
これですと、目標としている年8.2%とほぼ同じとなります。
であれば、つみたてNISAでも取り扱いのあるeMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドやニッセイ外国株式インデックスファンドを20年間積み立てれば2000万円は不可能ではない数字となる、ということがわかりますね。
一方、債券は、株式と比較してもっと動きが緩やかな商品となりますので、債券ファンドをつみたてに組み入れると全体の利回りが平均化されて下がってしまいます。
債券ファンドでは老後資金2000万円は達成できなかったことになってしまいますね。
資産運用におけるあなたの期待利回りは?
このように、積立できる金額と積立期間は自分で決めることができますが、運用利回りはつみたてているファンドや、大きな経済の流れにおける相場状況次第ということになります。
ですから、つみたてNISAなどを始める場合は、あなたが運用においてどれくらいの利回りが必要なのか、という期待利回りを知ることがとても重要です。
その期待利回りに応じて、それを達成することができそうな商品を選ぶことになります。
上の例の場合では、私は20年間という長期にわたって平均8.2%の利回りが必要で、それをかなえることができそうなのは、過去17年間平均8.3%のリターンを出してきたeMAXIS Slim先進国株式インデックスファンドやニッセイ外国株式インデックスファンドかな、となるわけです。
もちろん、過去の利回りは将来の利回りを保証するものではありませんが、ファンドの平均年利や上下の変動を知る大きな情報源となります。
ただ、年8.3%の利回りを出すというは、同じくらい下落する可能性も持っています。
実際に上のチャートで見ますと、2008年のリーマンショックが始まる前は、約155ポイントだったのに、リーマンショックで60ポイントくらいまで落ち込んでしまいました。
マイナス60%です。
仮に20年間の運用の後半でリーマンショックのような相場の下落をもろに食らってしますと、せっかく貯めた資産が半分以下になってしまったわけですから、これは気を付けなければいけません。
どれくらいの期間、積立や運用ができるのか?
同じようにこれを期間でみますと、上のチャートで取り上げられている1999年12月末~2017年12月末までの期間では、2008年10月にリーマンショックを経験しています。
先ほどもお伝えしたように、この期間に相場は60%も下落していました。
しかし、その後は米国経済の力強さから、相場も大きく上昇しています。
そして、2014年にはリーマンショック前のレベルを突破し、2015年には欧州金融危機で一時調整(下落)しましたが、それでも2017年末までに倍以上となるパフォーマンスとなりました。
ここから何が言いたいかというと、将来的な老後資金を作るうえでの株式での資産運用は、短期ではなく長期で評価する必要がある、ということです。
すでにみたように、短期の取引では株式相場は状況によって大きく下落することもあります。
ただ、これが長期(10年や20年)の運用であれば、経済や市場が拡大することに伴って、株価も右肩上がりに上昇する、ということです。
ドルコスト平均でも見た通り、相場が大きく下落したとしてもつみたて運用であれば、安くなればより多くの株数(ファンドであれば口数)買い付けることができます。
そして、長期的に右肩上がりであれば最終的には資産を増やすことができるのです。
NISAやiDeCoでは自分の状況にあった商品を選択すことが大事
NISAやiDeCoのような運用を始める場合は、自分がどれくらいの期間積み立てができて、いくらの資産を作りたいのか、ということを考えることがとても大切です。
10年後にマイホームを買いたいからいくら貯めないといけない
40歳になる頃に独立したいからそれまでにいくらは資産を作っておきたい
そして目標までの期間は何年で、今の自分の状況からだったらいくらなら無理なく積み立てれるだろう。
そして、目標を達成するためには年利〇%のリターンが必要だ。
そのような、イメージがはっきりしていれば、あとはその目標を達成するために合った商品を選ぶだけです。
是非、そのような運用の目的・目標をできるだけ明確にして運用を行っていけるよう心がけてみてください。