香港で新型コロナウイルスの感染拡大が本格的に始まってから4カ月がたとうとしています。
1月26日の時点で香港で5例だった感染確認数も本日(4月7日)時点では935例と1000例に迫ってきています。(死亡数は4)
日本でも本日、緊急事態宣言が発令されました。アメリカではニューヨークを中心に感染確認数が36万人を超えるなど事態は深刻度を増しています。
ここで改めて、香港の状況を振り返ってみたいと思います。
Contents
新型コロナ感染拡大:香港政府の対応
日本領事館のサイトにまとめられている、新型コロナウイルスによる感染症に関する通知をもとに、時系列を追ってみていきたいと思います。
新型コロナ感染拡大:香港政府の対応(2020年1月)
1月23日:中国・武漢封鎖
香港の人たちがマスクをし始めたのは1月23日頃でした。1月22日に中国武漢が封鎖が合評され、23日から封鎖されたのがきっかけだったようです。
1月25日:武漢往来便停止、イベントの中止、小中学校の開校が2月17日に
この日から武漢との航空便や高速鉄道が停止され、香港マラソンなどのイベントも中止。
小中学校、幼稚園も旧正月明けから開校だったのが、2月17日開校になってしまいました。
また、中国との国境では下のような健康カードの記入が義務付けられました。
1月28日:政府職員の自宅勤務、出入境ポイントの制限、中国から帰還者は14日間の自主隔離、医療関係者のスト
この時点での香港の感染者はまだ8例でしたが、香港政府は政府職員に2月2日までの在宅勤務を命じ、香港-中国間の越境ポイントの制限、交通の制限を指示しました。
2月上旬、より厳格に中国との往来を求める医療関係者がストライキを決行。
これが、香港政府にかなり圧力を加えたものと思われます。
1月31日:政府職員の自宅勤務、休校延長、お米の買い占め
31日時点では香港の感染数は12。
政府職員の自宅勤務を1週間延長し9日までに。
小中学校、幼稚園の休校措置を3月2日の開校へと延期をしました。
この時から、香港でもマスクがかなり品薄になっていましたが、お米やインスタント関連の食品の買い占めも発生しました。
この頃、日本では中国人などによるマスクの買い占めがありましたが、私も実家からマスクをEMSで郵送してもらったのですが、通常は3日もあれば届いていたのが、この時は届くまで2週間くらいかかりました。
新型コロナ感染拡大:香港政府の対応(2020年2月)
2月4日:深センとの出入境ポイントをさらに制限
香港政府はこの日から、さらに深センとの出入境ポイントを制限。
羅湖、落馬洲、皇崗、港澳碼頭のような人の往来が多いイミグレも閉鎖。
実質的に中国との大部分の設定を塞ぎました。
この時点で、まだ開いていたイミグレは香港国際空港、深セン湾、港珠澳大橋となってしまいました。
また、2月上旬から以下の紙が各所に貼られるようになりました。
これは香港が2003年に経験したSARSでの教訓を踏まえての内容でした。
- こまめに手洗いをする(手洗いは20秒間)
- トイレを流すときは便座を占める
- U字排水管に定期的に水を流す
- くしゃみや咳をするときはティッシュで鼻と口をカバーする
- マスクは鼻、口からあごまでしっかりカバーするように着用
- 気分が悪い時はマスクをつけて医者にかかる
このころにはマスクの着用も9割9分となっていました。
この時マスクを着用していなかったのは香港在住の欧米人くらいでしたでしょうか。
また、8日からは中国から香港に入境するすべての人に14日間の隔離が求められるようになりました。
2月8日:中国からの全ての入境者が14日間隔離に
8日からは中国から香港に入境するすべての人に14日間の隔離が求められるようになりました。
検疫対象者は、自宅もしくは政府指定の施設で検疫を行い、違反者に対しては2万5000香港ドルの罰金か、懲役6か月が課されることとされました。
また、公務員の自宅勤務も2月16日まで延長されました。
2月13日:自宅勤務、休校措置延長。トイレットペーパー強盗事件
13日時点での香港の感染者は50例。
香港政府は、小中学校、幼稚園の休校措置を3月16日以降をし、公務員の自宅勤務も2月23日まで延長としました。
※公務員の在宅勤務はのちに3月1日まで延長。
2月中旬頃にはトイレットペーパーの買い占めが行われるようになりました。
そして、2月17日にはなんとトイレットペーパーを狙った強盗まで発生。
男性2人組がトイレットペーパー600個を強盗して逃げるという事件が発生したのです。
しかし、トイレットペーパーの不足はすぐに解消し、すぐにスーパーにはトイレットペーパーが山積みにされるようになっていました。
2月24日:日本、韓国、イタリアからの入境者にも14日間の自己検疫を提案、韓国からの非香港居民の入境は禁止
この頃から、新型コロナウイルスの拡大の舞台は中国から世界へと広がっていきました。
24日、香港政府は、日本で発生していた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での集団感染や、韓国、イタリアでの感染拡大を受けて、入境時の自主隔離や、非香港居民の入国制限を行うようになりました。
2月25日:小中学校、幼稚園の休校期間を4月20日以降に延期
そして翌日には、すべての学校の休校期間を延長し、4月20日以降としました。
この頃には、多くの学校でE-Classが行われるようになり、私の子供の小学校でも、ネット上で、課題等が配られるようになっていきました。
また、イタリアとイランでの感染拡大に伴い、香港政府は3月1日から、イランとイタリアの一部地域を過去14日間に訪れた人は香港政府指定の検疫センターで検疫を受ける必要があると発表しました。
香港政府:香港居民に10,000香港ドルを支給(ただし受け取りは早くても夏)
2月末、香港政府は新型コロナウイルスが香港市民に与える経済的影響を踏まえて、18歳以上の香港居民に対して10,000香港ドルを支給することを発表。(参考:The Standard)
対象は、3月31日時点で18歳以上の香港居民で、登録の締め切りは来年の12月31日としています。
ただし、支給時期は早くても今年の夏としていますので、受け取れるまではまだ時間がかかりそうです。
まとめ
中国武漢から広がり始めた新型コロナウイルスに対して、香港政府はかなり早い段階で対策を打ってきていたように思います。
その大きな要因としてはやはり2003年のSARSの経験が大きかったのではないでしょうか。
早期に、皆がマスクを着用するようになり、頻繁に手洗いをするようになっていました。
これがあったからこそ、中国本土と隣接している状況であり、アメリカのニューヨーク、イギリスのロンドン、日本の東京のように人口密度が高い都市でありながら、かなり感染を抑えられていていたかと思われます。
3月以降については改めてまとめたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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