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新型肺炎(新型コロナウイルス/COVID19)とSARSの違い、正しい対処法とは?

以下の記事で今回の新型コロナウイルス(COVID19)と2003年に中国華南および香港で流行したSARSとの比較の話をしました。

新型肺炎(新型コロナウイルス/COVID19)とは?2003年SARSとの比較でその影響を分析2019年末から現在(2020年2月下旬)まで中国を中心に猛威を振るっている新型肺炎(新型コロナウイルス/COVID19)。 致死...

現在は中国本土では強力な移動制限のもと、新規感染者数はピークを打ちつつあるように見えますが、韓国やイタリア、イランや日本など中国以外での感染拡大が懸念されるようになってきています。

日本でも、新型コロナウイルスの現状について、日本をリードしてその対策と拡大阻止に取り組む専門家からの見解が出てきましたので、その中でも特に有益だと思えるものを取り上げたいと思います。

ここで取り上げる内容は、東北大学大学院医学系研究科の押谷仁教授へのインタビュー記事と、聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャーの坂本史衣さんへのインタビュー記事を参考・引用しています。

トニー
トニー
詳しくはぜひ記事を参考にしてくださいね。

Contents

新型コロナウイルス(COVID19)とSARSを比較

重症急性呼吸器症候(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)のように動物から感染する重症肺炎ウイルスである新型コロナウイルスのCOVID19。

前記事でも取り上げましたが、それぞれコロナウイルスは類似点もありますが、異なる特徴もあります。

改めて、SARSと新型コロナウイルス(COVID19)の特徴を以下のようにまとめてみました。

SARS COVID19
感染性 低い 高い
致死率 約10% 約2.3%以下
ウイルス増殖 気道の下部・肺 気道の上部・喉
重症化 可能性高 可能性低

特徴①:新型コロナウイルスCOVID19の重症化率の低さと長い潜伏期間

新型コロナウイルスの抑え込みを困難にしている要因の一つは、重症化率の低さと高い感染性です。

今回の新型コロナウイルスは当初から高齢者や、糖尿病などの疾患を抱えている人が重症化しやすいといわれていました。

実際に、新型コロナウイルスは感染しても大部分の8割が軽症といわれています。

また、潜伏期間が通常は5、6日といわれているものの、隔離期間も14日となっているように、感染しても潜伏期間であったり無症状である期間が長いのです。

この潜伏期間や無症状の期間でも感染力はありますから、自分でもわからないうちに周りの人に感染させてしまうケースが水面下で多く発生している可能性があるのです。

特徴②:新型コロナウイルスCOVID19の高い感染性

押谷教授は感染性についてウイルスの増殖場所に触れています。

SARSの場合は、ウイルスが肺のあたりで増殖していたのが、新型コロナウイルスでは喉のあたりで増殖しているのですね。

これが意味するところは、ちょっとした咳やくしゃみでも、飛沫感染を引き起こしてしまう、ということなんですね。

トニー
トニー
中国の武漢では、症状がある人、感染が疑われる人が大量に病院に押し寄せたため多くの医療関係者の感染を引き起こし、病院自体が感染リスクが非常に高い場所となってしまったのですね。しかも軽症者に対する治療法はありません。

新型コロナウイルス(COVID19)におけるクラスター(感染者集団)の存在

このように、中国では病院に大量の感染者や感染を疑われてる人が押し掛けたことにより、病院自体が感染の温床となってしまい、大量のクラスター(感染者の集団)が発生してしました。

多くの医療関係者も感染してしまう中で医療機関の対応がキャパを超えてしまい、実際は助かる命も助からなかった、という状況になってしまったのです。

押谷教授は、日本におけるクラスターの存在について、東京で集団感染が見られた屋形船が一種のクラスターであり、横浜港に停泊していた「ダイヤモンド・プリンセス」はメガクラスターといえると指摘しています。

これからの1~2週間が感染を抑えられるか、大規模拡大してしまうかの山場だといわれていますが、多くの人が至近距離で接するような環境をつくらないようにすることがクラスター発生を防ぐうえでとても大切になるのです。

トニー
トニー
感染を予防することも大事ですが、自分が感染していたとしても他の人に感染させない、という意識と行動が大事ですよね。

新型コロナウイルスに感染しているか不安になったら病院へ行くべきか

2月25日に決定された新型コロナウイルスの「対策基本方針」では、症状が軽い人は自宅療養することが求められています。

この内容に対してはネット上でも賛否両論出ていますが、実際はどうなのでしょうか。

自宅療養で病院がクラスター化するのを防ぐ

先ほども触れたように、中国の武漢では感染者や感染が疑われる人が大量に病院に押し寄せたことが感染拡大の要因となっていました。

日本でも今、一番感染リスクが高いのが病院ともいわれています。

病院に行けば、新型コロナウイルスに感染していなくても、待合室で長時間待っていたり、病院内をあちこち移動したり、物に触れたりすることによって感染してしまう可能性があります。

また、実際に症状が軽い場合は、現時点では特段、治療法という治療法がありません。

そのため、症状が軽いからといって病院に行っても、かえって他の人に感染させてしまったり、本当は感染していないのに、自分が感染してしまうリスクを負ってしまうだけなんですね。

ですから、症状が軽い場合は、やはり家で安静にしていた方がよい、ということになるのです。

軽症では病院に行っても検査してもらえない

また、ネット上でも、症状が軽い場合は検査もしてもらえないことに対しても批判的な声が上がっていますがこれはどうなのでしょうか。

現在行われている「PCR検査」は、厚生労働省も、結果がわかるまでに1日~数日かかるといっています。

PCR検査とは、綿棒で鼻やのどから検体を採取して、遺伝子を増幅させることで新型コロナウイルスの遺伝子があるかどうか確認する検査。

検査自体は5時間くらいですが、どの病院でも検査ができるわけではないので、手続きや検体を運んだりするのにも時間がかかってしまうのですね。

インフルエンザのように30分程度でわかるような検査とはわけが違うのです。

検査自体も100%確実に感染の有無がわかるわけではなく、検体採取の場所やウイルス自体の特徴からも、感染していても陰性と診断されたり、感染していなくても陽性と診断されることもあるようです。

これについては、聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャーの坂本さんが記事の中で、検査の有用性として「感度」「特異度」「的中率」として説明されている通りです。

感度 陽性の人を正しく陽性と判定できる確率
特異度 陰性の人を正しく陰性と判定する確率
的中率 どのくらいその結果が正しいかを示す確率

この検査はもともと、感染を疑われる人のために行われていたものなので、無症状や軽症の場合は、その結果を100%信じるわけにはいかないという状況もあるのです。

その点からも、無理に病院に行って検査してもらおうとせず、軽症であれば自宅で安静にしていた方が良いということなのですね。

そうすることで、実際に検査が必要な人が検査を受けることができ、医療関係者に大量の検査をさせることで無駄に医療関係者を疲弊させないようにすることにもつながるのです。

新型コロナウイルス(COVID19)のことを正しく理解し、適切な対応をとりましょう

このことからも、今は新型コロナウイルスのことを正しく理解し、適切な対応をとることが求められています。

香港でも、過剰なマスク買いだめや米、トイレットペーパーの買いだめなどが発生しましたが、パニックに陥ることなく、マスクの着用、そして特に手洗いをしっかりと行い、むやみに周囲のものを触ったりしないようにするという、基本的なことが大切となります。

また、感染者を責めたり、差別したりすることなく、皆でこの新型コロナウイルスを早期に収束させる努力が必要です。

現在はさまざまな情報がネットやSNSで流れていますが、それらの情報を冷静に見て判断し、行動することが大切なのですね。

まだウイルスの実態についてもわからないこともあり、ワクチンなどしっかりした治療法があるわけでもありませんが、可能な限り正しく新型コロナウイルスのことを理解し、皆でこの困難を乗り越えていきましょう。

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最後まで読んでいただきありがとうございました!

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